治験コーディネーターの仕事の課題

治験コーディネーターの仕事には、特別な資格があるわけではありません。しかし、医師や看護師、臨床検査技師といった医療従事者が、転職や異動によって治験コーディネーターとなることがほとんどです。治験コーディネーターになるまでのバックグラウンドにかなり差があるため、人によって知識や経験にばらつきがあることが課題となっています。また、多くの治験コーディネーターが非正規雇用であり、不安定な雇用に不安を抱えている人が増加しているのも現状です。
このような課題の解決方法として、治験コーディネーターの専門性を統一し、高めていくことが挙げられます。治験の仕事を一つの専門職として世間が認知することで知識のばらつきを減らし、治験者に安心して治験を受けてもらうことができます。さらに、専門性を高めることにより正規雇用を増やすことができ、安定して長く働き続けることが可能になります。
具体的には、研修や勉強会の開催が効果的です。定期的に研修を実施することは、高い意識を持って仕事をする治験コーディネーターを増やすことにつながります。また、医療系や福祉系などの大学教育の中で、治験について学ぶ機会を設けることも有効でしょう。学生のうちから治験について一定の知識を得ておけば、卒業後一度は異なる道に進んでも治験の仕事に就きたいと思った時に役立てることができるからです。同時に、治験コーディネーターと他職種の連携のためにも、学生時代から治験について学ぶことには意味があります。